2001年6月3日 日光2時間耐久レース

07.狂気


 さて。

梨本圭の監督業レポートは、ここまでである。
この後の、1時間経過〜1時間15分までの経緯を、俺は一切知らない。

何故か?

着替えに行っていたからだ。
この日は非常に暑く、着ていた短パン半袖ですら暑いので、水着に着替えに行った、
のではない。

さらに暑い衣装、
ツナギを、着込みにいったのだ。

なぜ?

応援するから。奇跡を起こすから

誰を?

梨本塾梅島組のみんなを。

どうやって?

監督として、ヘルパーとして、そしてもちろんやっぱりレーサーの走りを浴びせてやることで。

どのチームで?

ワタンベ、カイF4チームで。

さっき監督として直感した勝つために足りない何か、それはコイツらには勝つために必要な狂気がない、ということだった。それを、今度はレーサーとして応援する立場から徹底的に示そうと思った。わはは